熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
私の騒々しい声を聞いて、優月は鬱陶しそうに眉を寄せると、「なんだよ?」と目力を込めて私を見上げた。
「お前にとって今夜の進藤との約束はデートじゃないんだろ? だったら、俺が一緒に行ってもなんの問題もない。進藤は俺の悪友だし、綾乃は俺の妹みたいなもんだ」
「だからって、そんな勝手に」
「婚約解消したとは言え、俺は基本的にお前との関わり方を変えるつもりはない。穂積と越川の家の繋がりは、今後も続くんだからな」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど……」
優月が一緒じゃ、進藤さんと会う目的が何も達成できない。
どうしよう、と目を伏せた私の前で、優月が椅子を軋ませて立ち上がった。
そして、机の向こうから、私に手を差し出してくる。
上に向いた彼の手の平を見てから、私はおずおずと顔を上げた。
優月はさっきまでの不貞腐れた表情は消して、どこか厳しい瞳を私に向けている。
「PHS。返せ」
「あ。う……でも」
「心配しなくても、そう何度も邪魔はしない。ただ……綾乃を譲っていい男かどうか、俺がこの目でちゃんと見極めたいだけだよ」
真剣な瞳で諭すように言われ、私の胸がドキッと跳ね上がった。
胸に抱き締めたままのPHSを、更に強く握り締めてしまう。
「お前にとって今夜の進藤との約束はデートじゃないんだろ? だったら、俺が一緒に行ってもなんの問題もない。進藤は俺の悪友だし、綾乃は俺の妹みたいなもんだ」
「だからって、そんな勝手に」
「婚約解消したとは言え、俺は基本的にお前との関わり方を変えるつもりはない。穂積と越川の家の繋がりは、今後も続くんだからな」
「そ、そう言ってくれるのは嬉しいけど……」
優月が一緒じゃ、進藤さんと会う目的が何も達成できない。
どうしよう、と目を伏せた私の前で、優月が椅子を軋ませて立ち上がった。
そして、机の向こうから、私に手を差し出してくる。
上に向いた彼の手の平を見てから、私はおずおずと顔を上げた。
優月はさっきまでの不貞腐れた表情は消して、どこか厳しい瞳を私に向けている。
「PHS。返せ」
「あ。う……でも」
「心配しなくても、そう何度も邪魔はしない。ただ……綾乃を譲っていい男かどうか、俺がこの目でちゃんと見極めたいだけだよ」
真剣な瞳で諭すように言われ、私の胸がドキッと跳ね上がった。
胸に抱き締めたままのPHSを、更に強く握り締めてしまう。