熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「進藤のことは綾乃より知ってるつもりだ。この年まで友人として付き合えるくらいだから、悪い男じゃないのは確か。でも、お前を譲る男と思って見たことは一度もない。……だから」
落ち着いた口調で私に語りかける優月は、いつもの来客対応や会議の時と同じ、穏やかで大人で頼れる社長の目をしていた。
なぜだか胸がきゅんとして、私は手の力を緩めた。
そのまま、優月の手の平にPHSを返す。
「サンキュ」
優月は短くそう言って、再び椅子に腰かけた。
そして、椅子を斜めに回転させて、私に横顔を向けて電話をかけ始めた。
この角度から見下ろすと、優月は目を伏せているように見える。
意外と長い睫毛を見つめながら、私は無意識に胸に手を当て、ゴクッと唾をのんでいた。
『綾乃が俺以外の男を愛そうとするのも、嫌なんだよ』
進藤さんを『見極める』と言う優月の言葉で、先週言われたことを思い出してしまった。
あの言葉は『妹』に向ける以上の独占欲が感じられて、今日まで思い出す度に、私の胸は意味もなくドキドキと高鳴った。
変なの。
今この場でも、優月が私を『妹みたいなもん』と思ってることに変わりはないのに。
「ただの『妹』としか思ってないくせに。私が恋しようと思う相手は全員、譲れる相手か見極めようって言うの……?」
落ち着いた口調で私に語りかける優月は、いつもの来客対応や会議の時と同じ、穏やかで大人で頼れる社長の目をしていた。
なぜだか胸がきゅんとして、私は手の力を緩めた。
そのまま、優月の手の平にPHSを返す。
「サンキュ」
優月は短くそう言って、再び椅子に腰かけた。
そして、椅子を斜めに回転させて、私に横顔を向けて電話をかけ始めた。
この角度から見下ろすと、優月は目を伏せているように見える。
意外と長い睫毛を見つめながら、私は無意識に胸に手を当て、ゴクッと唾をのんでいた。
『綾乃が俺以外の男を愛そうとするのも、嫌なんだよ』
進藤さんを『見極める』と言う優月の言葉で、先週言われたことを思い出してしまった。
あの言葉は『妹』に向ける以上の独占欲が感じられて、今日まで思い出す度に、私の胸は意味もなくドキドキと高鳴った。
変なの。
今この場でも、優月が私を『妹みたいなもん』と思ってることに変わりはないのに。
「ただの『妹』としか思ってないくせに。私が恋しようと思う相手は全員、譲れる相手か見極めようって言うの……?」