熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「幼い頃から一緒に育ったようなもんだし、年も離れてる。だから、兄妹みたいにしかなれなかったろうね。……でも、優月。綾乃ちゃんはお前が思ってるほど子供じゃない。もう十分……立派な大人の女なんだよ」
それを聞いて、優月がハッと小さな息を吐いた。
「そんなこと、お前に言われなくてもわかってる」
「わかってるかな。俺が見る限り、お前の頭の中の綾乃ちゃんは、高校生くらいで成長止まってる。だから二十歳になっても社会人になっても、庇護の対象として大事にするだけで、婚約者として扱えない。もちろん、恋の相手も綾乃ちゃん以外の女になる」
間髪入れずに畳みかける進藤さんに、優月がムッと口を閉ざした。
私は、私のことを話題にする二人を前に、両手で支えるように持ったジョッキの中の琥珀色の液体を見つめる。
「優月がそんなんだから、綾乃ちゃんにとっても、お前はいつまでも過保護な兄貴だ。だから優月が他の女と付き合ってたこと知っても傷付かないし、怒らない。実態の伴わない約束でも、いずれは結婚する関係だってのにさ」
進藤さんの言葉を静かに聞いていた優月が、怪訝そうに眉を寄せる。
「優月。許嫁って関係から解放されたってのに、綾乃ちゃんが恋することに消極的で二の足を踏むのは、全部お前のせい。その辺、わかってんのか」
ちろっと優月を窺うように、進藤さんが声を低めてそう言った。
それを聞いて、優月がハッと小さな息を吐いた。
「そんなこと、お前に言われなくてもわかってる」
「わかってるかな。俺が見る限り、お前の頭の中の綾乃ちゃんは、高校生くらいで成長止まってる。だから二十歳になっても社会人になっても、庇護の対象として大事にするだけで、婚約者として扱えない。もちろん、恋の相手も綾乃ちゃん以外の女になる」
間髪入れずに畳みかける進藤さんに、優月がムッと口を閉ざした。
私は、私のことを話題にする二人を前に、両手で支えるように持ったジョッキの中の琥珀色の液体を見つめる。
「優月がそんなんだから、綾乃ちゃんにとっても、お前はいつまでも過保護な兄貴だ。だから優月が他の女と付き合ってたこと知っても傷付かないし、怒らない。実態の伴わない約束でも、いずれは結婚する関係だってのにさ」
進藤さんの言葉を静かに聞いていた優月が、怪訝そうに眉を寄せる。
「優月。許嫁って関係から解放されたってのに、綾乃ちゃんが恋することに消極的で二の足を踏むのは、全部お前のせい。その辺、わかってんのか」
ちろっと優月を窺うように、進藤さんが声を低めてそう言った。