熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「消極的?」


優月は短く聞き返しながら、ピクッと眉尻を上げた。
私の話だけ聞いていたら、進藤さんの言葉には違和感があったからだろう。


「し、進藤さんっ」


だから私は、優月の探るような視線を感じながら、進藤さんを止めようとテーブル越しにわずかに身を乗り出した。
けれど進藤さんは私に構わず優月に向かって答えてしまう。


「綾乃ちゃんには『可愛い』の一言も直接いってやらないお前が、彼女放って付き合ってた女。揃いも揃ってスタイル抜群の美人だったろ」

「……え?」


進藤さんの言葉を聞いて、優月が私に向ける視線をさっきよりも強くはっきり感じる。
おかげで私は肩も首も縮めるしかなかった。
そんな私の反応を見てか、進藤さんがどこか愉快そうにクックッと笑う。


「教えてやった時の綾乃ちゃんの顔、俺忘れないよ。自分の胸元見下ろして、でっかい溜め息ついてたなあ~」

「し、進藤さんっ……!!」


進藤さんがサラッと暴露した言葉に、私は慌てて声をあげた。


「べ、別に私、そんなことしてな……!!」

「ああ。『私じゃいつまで経っても、優月にとっては子供ですよね』ってへこんだだけだったっけ」

「~~進藤さんっ!!」


次々に晒される私の過去の言動に、私は顔を真っ赤にして声を張った。
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