熱情求婚~御曹司の庇護欲がとまらない~
「……『兄貴』が『妹』にキスなんかするか、バカ」
「っ、え……?」
どこか不機嫌な声にドキッとして、私はそっと優月を振り仰いだ。
彼はやっぱり口元を手で隠しながら、私から目を逸らす。
優月がどういうつもりで言ってるのか探って、私はちょっと緊張しながら彼の次の言葉を待った。
けれど優月は口元から手を離し、なんだか深い溜め息をついた。
何か言いかけたのか、その唇が小さく動く。
私の視線の先で晒されたその唇をばっちり意識してしまい、心臓が猛烈に打ち鳴り始めるのを自覚した。
『だったら、どういうつもりで私にキスなんかしたの』
そう口走りそうになるのを、私は必死に抑えた。
私の本当のファーストキスを『事故だ』と言い張って、その唇で上書きされた。
優月の唇の感触は、絶対に事故にはならないのに。
優月の唇を見たくらいで、なんの反応も示したことのない私の胸が、破裂しそうなくらい高鳴っている。
耳元にまで脈動の音が聞こえる気がする。
こうなってくると、社長室に響き渡っているように思えてしまい、私は慌てて優月から大きく顔を背けた。
「綾乃?」
「っ、え……?」
どこか不機嫌な声にドキッとして、私はそっと優月を振り仰いだ。
彼はやっぱり口元を手で隠しながら、私から目を逸らす。
優月がどういうつもりで言ってるのか探って、私はちょっと緊張しながら彼の次の言葉を待った。
けれど優月は口元から手を離し、なんだか深い溜め息をついた。
何か言いかけたのか、その唇が小さく動く。
私の視線の先で晒されたその唇をばっちり意識してしまい、心臓が猛烈に打ち鳴り始めるのを自覚した。
『だったら、どういうつもりで私にキスなんかしたの』
そう口走りそうになるのを、私は必死に抑えた。
私の本当のファーストキスを『事故だ』と言い張って、その唇で上書きされた。
優月の唇の感触は、絶対に事故にはならないのに。
優月の唇を見たくらいで、なんの反応も示したことのない私の胸が、破裂しそうなくらい高鳴っている。
耳元にまで脈動の音が聞こえる気がする。
こうなってくると、社長室に響き渡っているように思えてしまい、私は慌てて優月から大きく顔を背けた。
「綾乃?」