ハートソニック


「えー、今から転校生を紹介する。入れ〜」

焔先生のやる気のないような声を聞いて、わたしは扉を開けた。

中に入り、焔先生の隣へと行く。

「んじゃま、自己紹介よろしく」

「柊雪乃です。短い間ですが、よろしくお願いします」

軽い自己紹介をし、焔先生に指定された席へと座る。

わたしの席は窓際の後ろから二番目。

肝心の緋龍のメンバーはわたしの後ろの席と、隣の列の後ろ二席。

結構近いな………。

いや、かなり近いのか。

できるだけ、さも興味がないように振る舞う。

恐れることもしない。

こっちから話しかけるんじゃなく、向こうから声をかけてくるのを待つ。

あまりにグイグイと行くと、怪しまれたり引かれたりするからね。

ここは、耐えて待つのが得策。

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