ハートソニック
「おーい、起きろ〜」
「ん……」
誰かの呼び声に起こされ、わたしはゆっくりと顔を上げた。
目をこすり小さくあくびをすると、声のした方を見上げた。
「よっ!起きたか転校生」
「…………ダレ?」
「やだな〜!ボク、君の隣の席だよ〜。まあ、名前は名乗ってはいないんだけどね〜」
そう言いながら笑う。
「ボクは尚(ショウ)だよ!よろしくね〜。そんで、こっちがボクの後ろの席の」
「弥生(ヤヨイ)だ。よろしく」
「んでもって、君の後ろの席にいるのが〜」
「椿(ツバキ)だ。よろしく……」
順番に自己紹介をしていく尚たち。
やっときた。
尚に、弥生に、椿か……。
「それでえっと………ごめん。転校生の名前聞いてなかったから分かんないや!」
どうせ寝てたんでしょ。
「……雪乃。普通に呼び捨てでいいよ。わたしも君たちの事呼び捨てにするから」
「オッケ〜!雪乃ね〜。ところで雪乃さ、これから予定とかってある??」
「?ない、けど………」
「それじゃあ、ボクたちの倉庫に遊びに来ない〜???」
「えっ………」
「よし!ケッテ〜イ!!」
「え!?ちょっ!!」
そう言ってわたしの腕を掴み、どこかへと連れていく尚。
それに続く、弥生と椿。
願ってもいないけどさ、ちょっと早くないか???