月華の陰陽師1ー朧咲夜、裏の真相ー【完】
「依頼完了、だな」
光の消えた方を見上げて、黒が呟いた。
「ああ……。だが、あちらは問題だらけだ。心配過ぎる」
墓石の並んだ階段を、手を繋いで降りてくる流夜と咲桜。
俺たちは知ってしまったが、流夜や咲桜、その周りの人間が知らない事実がたくさんある。
俺たちから干渉することは出来ないが、桃子をおくった身としては気になってしまう。
「ま、必要があったら俺らに手を貸してくれって言うだろ。在義は華取がどんな家かも知っているし、影小路のことの知っているようだし」
「……そのときは力を貸すしかないな」
微笑みあう恋人たち。だが、隠されている関係が知れたときは……。
「白。お前は優しいから助けたいものがたくさんあるだろうけど、境界線には気をつけろよ?」