クレナイ姫
仁「着きました。」

仁の声で現実に引き戻される。

そうだ。今はこんな事を考えている場合ではない。


また、唯が悲しまないように。
いつも、笑顔で入れるように。


これからは一層、俺が唯を守ってやらないと。

唯の寝顔をみていると、これから遅刻について怒られるというのに、なんだかもう、いいかと思えてきた。


これからは堂々と唯と一緒に学校で過ごせる。


唯は光さんと一緒に理事長室に居るときよく、校舎内をうろうろしてたし、行事にも参加してたし、まあ、虐められはしないだろう。


虐められていたとしても、すぐに俺やクソ兄貴が殴りにいくし、光さんや親父にいたっては退学ものだろう。



ホント、唯は愛されてるな。


そう思いながら、車を降りた。


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