クレナイ姫
雄哉side
雄翔はボクのために、昔、とてもつらい思いをした。
ずっと悲しんでいた、苦しんでいた雄翔に、ボクはあの日の夜まで気づかなかった――――――――。
ボクは昔は、とても幸せだったんだ。
そう、『ボクは』、、、、。
雄翔はいつも、ボクの前では笑っていた。
サイコーの弟だった。
いつも通り、過ごしていた中3の冬の日の夜。
軽く、雪が降っていた。
皆が寝静まったはずの真夜中。
ガチャッという音にボクは目を覚ました。