笑わないシンデレラ
「いいよ!この先買えないかもしれないんだよ⁉︎」
「でも、食べたいんでしょ?私辻くんに言われて買ってきただけだし。」
「えっ!春人甘いものダメなのに……じゃなくて、ほんとにいらないよ!早瀬さん!」


遠慮なんかしなくていいのに。


「じゃあ半分ずっこ。それならいいかな?」

「う、うん……」

私がそう言って笑うと女の子は罰が悪そうな顔で頷いた。


「おいしいっ!なにこれ!」
「だから言ったでしょー?」


りんごパイの味は格別でほんとにおいしかった。

この子と一緒にいるから余計においしく感じてしまった。
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