笑わないシンデレラ
「この冷酷女!」


それだけ言うと図書室を後にした辻くん。


なにが冷酷よ……

私だって笑いたいわよ。



ぽた……


さっき読んでいた本のページに私の水 滴が落ちる。


涙は止めどなく溢れて、止まる術を知らなかった……


「竜ちゃん……」

涙声である人の名前を呟いた。


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