笑わないシンデレラ
「あのさ……さっきはありがとう。
みんなの前で声をだすなんて怖かったよな。」


早瀬は少し驚いた顔になったが、すぐに微笑んでくれて「ううん」と首を振ってくれた。


「辻くんはいつもわたしのこと助けてくれたんだもん。あのくらい辻くんにしてもらったことに比べたらどうってことないよ。」


早瀬----------


俺、別になんもしてねーよ。
ただ君の笑顔が見たかっただけ。


「ちょっとー、早瀬さんはあたしのものなんだからあんまりかまわないでよねっ!」


何やら文句を言ってる梨花の声も今は聞こえなかった。


「どうしたの?春人。大縄飛び始まるんですけど。」
「辻くん、大丈夫?」


梨花や早瀬の声も今は聞こえない。
それほど早瀬に言われた言葉に固まっていた。


いつもわたしのこと助けてくれた。


そう思われてることがなにより……
嬉しかったんだ。
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