笑わないシンデレラ
はぁ…
どうしてだろう。
今頃、お家に着いていたはずなのに。


しかもいつも通る道じゃなくて、全然知らない道を歩いている。


「辻くん、迷子になっちゃったんじゃない?」
「んなわけねーじゃん。ほら、見えてきたよ」
「?」


ぱっと顔を上げると、色々なお店が立ち並ぶクレアモールにたどり着いた。


すごい。

「今日、お祭り?」
「違うと思うよ。ってか早瀬、クレアモール来たことないの?」
「うん。あんまり。」


だって友達もいなかったし、わたしには無縁の場所かと思ったんだもん。


「おっ。あった、あった。」
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