笑わないシンデレラ
「は?とっくにいなくなったけど?
俺たちを見てめっちゃ悔しそうな顔してた。」

勝ち誇ったような顔をすると、私の頭を撫でた。

「怖くなかった?」

ドキン……

「うん。全然。」

「早瀬、お前強くなったな。」


ねぇ、わかってる?
それ全部辻くんのおかげなんだよ?


私がこうして誰かに言い返すことができるのも……


友達ができたのも……


笑えるようになったのも……


あの日、屋上から飛び降りることができなかったのも……


全部、辻くんのおかげ。


わたし、彼のこと……。
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