笑わないシンデレラ
「わたし、相葉さんと出会えてよかったよ。」

「………」

さっきまで強気だった彼女はわたしの話を聞いてくれているのか何も言わなくなった。


「ごめんなさい。友達なのに相葉さんの気持ちに気づかなくて。ずっと辻くんのこと好きだったんだね。」


「…………」


「でも、だからってわたし達が友達をやめることはないと思う。わたしは……相葉さんと友達でいたい。」


涙が出そうなのを必死で我慢する


「相葉さん……わたしね、笑えなくなったの。」

「え?」

ようやく相葉さんは反応してくれた。


「中学の時ね、ずっと好きだった幼なじみがわたしをかばって死んだの。」

「そんな……」

「それでわたしに笑う資格なんてない。幸せになる資格なんてない。そう思って笑いもしなければ泣きもしなかった。わたしが殺したみたいなもんだから。友達も無表情なわたしからどんどん離れて行った……」
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