笑わないシンデレラ
「梨花ちゃん、それでね……私……辻くんのこと……」


好きかも……と、言おうとしたまさにその時……


ガラッと保健室のドアが開かれ、でかけた言葉は封印された。


「早瀬、大丈夫か?」


「つ、つ、辻くん……」


思わぬところで、登場した辻くんに私はたじたじだ。


ノックくらいしてよね。


そう言おうとしたけど、まずはお礼を言うのが先だ。


倒れた私を運んでくれたのは辻くんなんだから。
< 219 / 311 >

この作品をシェア

pagetop