笑わないシンデレラ
「辻くん、ごめんね?何か運んでくれたみたいで。」

「ああ。気にすんなよ。大丈夫?」

彼は心配そうな顔つきで、ベッドまで歩みを進めた。


「心配した。傍にいようとしたんだけど、梨花が「あたしが傍にいたい」って言うからさ。」


心配……してくれんだね、辻くん。
そして、梨花ちゃんがいなかったら彼がここに残っていた。


「あたしだって杏奈ちゃんが倒れたって聞いて心配だったんだもん!」


梨花ちゃんは、横になっている私を横から抱き締める。

はぁ……ほんとに好きだな、この2人


「2人とも、ありがとう。」
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