笑わないシンデレラ
「大丈夫なの?梨花ちゃんは……」

「大丈夫。だって、こうでもしなきゃ早瀬と話せないだろ?」

ドキン……


やだ、ときめかないでよ。
私の心臓……


もう恋なんてしないって決めたのに。


ギシ。


軋むような音がすると思ったら、辻くんがパイプ椅子に腰掛けていた。


じーっと私の顔を凝視してきて照れてしまう。


「えっ!」

なぜか、私の額に手を当ててきた。


額が熱い。
辻くんに触れられただけで熱い……


「熱はないみたいだな。顔色さっきから真っ青だからさ。」

なんだろ。

私、ほんとに体調が良くなかったのかな
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