笑わないシンデレラ
「でも私……」

「早瀬に拒否権なし。」

辻くんはまた笑う。
強引だけど、彼の優しさに私は
また涙する。

「バッカじゃないの……」


なんで彼はこんなにバカなんだろう。

私と関わるときっとロクなことにならないのに。




***




「でーきた♪」



彼が私のために選んだコーデはなぜかダサいTシャツと、裾が切れているスカート。


「辻くん……バカにしてる?」

「バレたか。」

バレたかって……

「真面目にやってよー!」

「嫌なんだよ。早瀬のことかわいいって思う奴がいると。どうせ、今日もお前は見られるだろうし。」


見られるって……私が?
かわいい?


ありえない。
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