笑わないシンデレラ
「大丈夫?急に黙ったりして。」


彼女は心配そうな顔で俺を見ている


「ああ。お前こそ、調子平気か?」

「うん、大丈夫。」


つい考えすぎてしまった。
確かに、傍にいることしかできない

竜ちゃんを生き帰らせることは俺にはできないけど……


とことん君の傍にいたい。

楽しませてやりたい。

君が好きだから。


「よっしゃ!行くか!」

きゅっと早瀬の華奢な手を繋ぐ。

「ちょっ……手、離して!」

「無理。」

「えーっ!何それ!」

赤くなる早瀬を無視して、俺は走り出した。

クレアモールまで俺と早瀬の足は止まらない。
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