笑わないシンデレラ
「辻くん、ありがとう!お金ほんとにいいの?」


雑貨屋を後にすると、確認するように聞いてきた。


「いいってば。それより付けてやるから後ろ向いて。」

「う、うん。」



くるっと後ろを向くと、腰まで伸びた黒い髪がすごく綺麗に見える。


引っかからないように彼女の綺麗な髪を掴むと、水色のシュシュで後ろ結びをした。


「かわいい。よく似合ってる。」


顔が赤いのばれてねーかな。


平然を装い、笑って見せた。
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