笑わないシンデレラ
「梨花ちゃん……私……」

泣きそうになりながらも、絞り出した声……


「1時間目サボろっか?」


梨花ちゃんは可愛らしい笑みを見せると、私を屋上へと導いた。


バタンッ


屋上の鉄のドアを開くと、大きな音を立て閉まる。


ぶわっ。


秋の風が私たちの体を包む。
ちょっと寒い。


あ……この場所……
辻くんが自殺しようとした私を助けてくれた場所だ。
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