笑わないシンデレラ
『死ぬな、早瀬……死なないで……』

弱々しい声でそう言って泣きながら私を抱きしめてくれた。

『俺、早瀬に信用してもらえるように頑張るわ!』


泣いた後、言ってくれたね。
とっくに私信用してたのに。


「っ………」

「杏奈ちゃん⁉︎」


梨花ちゃんが驚きの声をあげる。
その理由は……私の目に光るものを見たから


「どうしたの⁉︎」

「ご、ごめん……思い出しちゃった。
私ここで辻くんに助けられて、彼のこと信用しようって決めたの。」

「杏奈ちゃん……」


あなたや梨花ちゃんがいたから私は前に進めた。

でも、もう無理だ。

前に進める自信なんてない。
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