笑わないシンデレラ
「早瀬!」

待ち合わせ場所である公園に着くと、既に辻くんは到着していた。


辻くんも私と同じ色のコートを着ていて、私たち同じこと考えていたのかなって頭の中で思った。


「ごめん、待たせちゃって!」

彼に小走りで近寄り、両手を合わせて謝る。

私ったら彼氏に待たせるなんて何考えてんのよ。

「大丈夫。俺、今来たとこだからさ。」


そう言って笑うと自分が着けていたマフラーを取った。
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