笑わないシンデレラ
『杏奈ちゃん、どうしたの?そんな大きな声出したりして。』

電話越しから聞こえた梨花ちゃんの苦笑混じりの声。

「それはわたしのセリフだよっ!梨花ちゃんこそどうしたの⁉︎」

『え?もうデートから帰る頃かなって思って電話かけたんだけど。』


そうだったんだ……

わたしはてっきり梨花ちゃんになにかあったのかと思った。


『それで?デートはどうなった?』

「あー、実はね……辻くん泊まることになったの。」

『ええええっ⁉︎』


キーン。


梨花ちゃんの高い声がこだまする……


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