笑わないシンデレラ
「親バカって言われるかもしれないけど、私ね…もうあの子の悲しんでる顔を見たくないの。一生あの子のこと支える自信はあるの?」


「……っ」


もう、なにきいてるのよ。
失礼極まりない。


乱入しようとドアをぎゅっとつかんだ…その時だった。


「もちろんです。」


辻くんの低い声がドア越しから聞こえた


「あの子が……杏奈さんが苦しい想いをしていたのは俺が1番よくわかっています。
彼女は初め、とっきにくくていつも無表情でした。だけど接していくうちに明るくなっていって気づいたら好きになっていました。
俺が告白した時も、幼なじみに悪いからって言ってわざと付き合わなかったりしてすごく強い子だなって思いました。


だから……そんな彼女を支えない理由なんてありません!一生、杏奈といたいです!」



辻くん……



ほんとにバカだな。

なんでそんな必死になるのよ。


まるでプロポーズみたい。


「………っ」


声を殺しながらその場にしゃがみ込む


やだ……
嬉しすぎる。
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