笑わないシンデレラ
「わた、わたしじゃない……」


怒鳴り散らす彼女に肩を跳ねさせつつも、小さな声で否定する……


「な、わけないでしょ⁉︎あんたの引き出しから出てきたのよ⁉︎」


でも……私じゃない……
私は取ったりなんかしないよ……


「うわー。早瀬さん、美人だと思ったのになー。」


「人の物取るとか最低。」


「犯罪じゃーん。」


クラス中の嫌な声が聞こえる。
あ……涙が……

がたんっ!


「早瀬!」


倒れた自分の机を足にぶつけつつも、教室から走り去った。


後ろから聞こえたのはあの人……
辻くんの声。


もうダメ……
誰も助けてくれない。
助けてよ、竜ちゃん……
< 47 / 311 >

この作品をシェア

pagetop