笑わないシンデレラ
「卑怯なのはてめーの方だろーが!
なんで早瀬にあんなことした⁉︎」


俺が怒鳴りつけると、千鶴は顔を手で覆い泣き出した。


「だって、ずるいじゃん!あの子ちょっと綺麗なだけなのに春人に気にいられて!あたしだって前から春人が好きだったのに!」


恥ずかしげもなく、クラスの中心で俺に愛の告白をする彼女。


こんな感じで告白なんて彼女もしたくなんてなかっただろう。
きっと、もう少しロマンチックにしたかったに決まってる。


勇気を出して想いを打ち明けてくれた……

ただし俺の返事は----------


「そんな卑怯なことする奴に好かれたくねーよ。」


告白の返事はいつも慎重にしている俺だが、今回ばかりは無理だった。
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