笑わないシンデレラ
引っ張られた反動で私は後ろに倒れそうになったけど、背中を支えられた。


なんで……
私がここにいるってわかったの?


「辻くん……」

涙でぐちゃぐちゃな顔で彼を見る。
彼の額には汗か浮かび、息がかなり上がっているのがわかった。


もしかして私のことを探してくれたの?


こんなに探してくれた彼に私は拒絶する言葉を投げかける。


「なによ。私に声をかけるとみんなに変に思われるよ?」


彼を怒らせるような言葉……
私、どこまで最低なのよ?
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