笑わないシンデレラ
「竜ちゃんっ!竜ちゃん!」

いくら呼びかけても……
体を摩っても、応答がない。

竜ちゃんに見てもらおうと思って、選び抜いた白いワンピースは真っ赤に染まってしまっていた。

「竜ちゃん!やだぁっ……竜ちゃんってばぁ!」

竜ちゃん……わたしの声聞こえないの?

起きてよ、竜ちゃん…
告白の返事を聞かせてよ。
お願いだから。


「おい!救急車!」
「君、大丈夫か⁉︎」


周りの人達の声も……
私に話しかける声も……
全て聞こえなかった---


お願い……
竜ちゃんが私のことなんか
好きじゃなくてもいい……


だから……竜ちゃんを助けてください
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