樫の木の恋(中)
三成が秀吉殿に更に酒を勧める。こちらが駄目だと言っても、秀吉殿はそれを飲んでしまう。
「秀吉殿!もう部屋に戻りましょう?」
「そうやっれ、また助平な事しゅるんじゃりょう?」
「しませんからっ!」
「絶対しますよ。竹中殿、助平ですから。」
「あーもう!三成、口を挟むな!少し黙ってろ!」
そう言うと、秀吉殿と三成が顔を見合わせにやにやと笑う。
「ほらぁ!やっぱり鬼畜ー!」
「ほんと、怖い怖い。」
そんな二人を見ていたら、面倒になってきた。
すっと離れ、一人で酒を飲む。
「むっ。半兵衛怒ったぁ?」
そう言いながら三成から逃れ、ゆっくりと四つん這いになりながらこちらに秀吉殿が近づいてくる。
そして顔を覗きこんでくる秀吉殿。
「半兵衛、怒っちゃ」
「ふぅ。ようやく捕まえた。」
「にゃっ!ず、ずりゅいぞ半兵衛!」
油断した秀吉殿の腕を掴み、離さないよう抱き寄せる。
「んー!はにゃせぇ!」
「もう逃がしませんから。飲み過ぎです秀吉殿。」
「むぅ。」
ようやく観念したかのように大人しくなる秀吉殿。