樫の木の恋(中)
「半兵衛ぇ、なんであんにゃこと言ったんじゃ?」
「これから女子の恰好をした、可愛らしい秀吉殿を苛めたいからですよ。」
「なっ!半兵衛の鬼畜っ!」
「少し黙りましょうか。」
そう言ってから、秀吉殿に口付けをする。
驚きながらもそれを受け入れてくれる秀吉殿。徐々にとろける秀吉殿は、酒の力も相まって乱れていく。
部屋に入って、既にひいてある布団に秀吉殿をゆっくりと下ろす。
「女子の恰好、可愛らしいですよ。新鮮です。」
「は、恥ずかしい。」
「少し着物が乱れていて、堪らなく色っぽいです。」
「………っ。」
着物が乱れ、開けた首元に口付けをする。少し痕をつくくらい強めに口吸いをする。
「涙目とか、誘ってるようにしか見えません。」
「は、半兵衛、うるしゃい……。」
鮮やかな赤い着物は、秀吉殿の肌をより一層綺麗に見せる。男の恰好しか見ていなかったせいか、異様に女子の恰好をした秀吉殿は可愛く見えてしまう。
もちろん男の恰好をしていても、秀吉殿は可愛いのだけど。
そんな秀吉殿をゆっくりと寝かせ、覆い被さる。
「今度、赤い着物を作りに行きませんか?もちろん女子の。」
「……い、いらんもんっ。きょ、今日だけらもん。」
「残念です。こんな可愛い秀吉殿…また見たかったのに。」
そう言うと、秀吉殿はもじもじとしながら涙目をこちらに不安そうに向けてくる。
「しょ、しょうが、ないのぉ……。」
恥ずかしそうにしている秀吉殿。
「ふふっ。薄い黄色の羽織など、よく似合いそうです。」
それから秀吉殿をゆっくりと苛めていった。