通学電車、彼と一緒。
「あ、わるい高瀬。痛くない?」

「う、うん、うん、痛くはない……よ」


今、話しかけられたら、耳元がくすぐったくて、へんなかんじになっちゃう。

心臓、バクバクしすぎ~!

こんなに意識して、照れてるのがバレたら、恥ずかしい……。


「ごめん、腕ちょっと外す…」

織田君が、私の髪に囁くように言った。


耳が、ぞわぞわして、くすぐったくて、ちょっとだけ気持ち良くて。
ますます顔が赤くなる。

いつも、織田君の表情をうかがうには、地下のトンネルが映る窓ガラスを見て確認していたけど。

今日は、織田君の胸の中にすっぽり収まっていて、窓が見えない…。
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