通学電車、彼と一緒。
きゅっとシャツを掴んでみた。

織田君は、「ん?」と私を見下ろした。



この角度。

織田君に抱きしめられて、見下ろされる角度。好きだな。


「……好きだよ」


織田君にしか聞こえない小さなささやき声でつぶやくと、織田君は居心地悪そうに眉を顰めた。


織田君は、照れ屋で恥ずかしがり屋。

だけど……






彼の手が私の腰を引きよせ、ぴたりと体が密着する。



「俺も」

私にしか聞こえないぐらいの声で囁いた後は、誰にも見えないようにして、唇が重なった。






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Vol.3
short short lovestory
1700
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