恋蛍2~トワイライト色の約束~
「なにさあー、翔琉ぅー」
背後からその声がした。
「やっぱり結弦兄ィニィ連れて来のかね」
振り向くと、波打ち際で遊んでいた3人組が翔琉を指差して笑っていた。
「ほら見ろ。翔琉は結弦兄ィニィがおらんと、なーんにもできないんだぜ」
そう言ったのが、リーダー格の虎太朗くんだ。
いがぐり頭で、いかにもやんちゃな顔付きをしている。
翔琉はなにかを言い返すわけでもなく、口を真一文字に結んだまま、またオレの後ろにひょいっと隠れた。
同時に、芽衣ちゃんもオレの後ろに隠れた。
「なんだ、芽衣もかね? お前も翔琉と同じね?」
やんちゃ坊主どもには困ったもんさ。
「虎太朗くん」
オレは背後で猫に怯えるねずみのように小さくなっているふたりの頭を撫でながら、
「翔琉とも仲良くして」
欲しいんだけどね、と本当は言うつもりだった。
でも、「ふうん。きみたちやね」と割り込んで来のがいろはだった。
「翔琉くんの100万円のサンダル、神さんの木ぃに隠しはったのは」
「うえっ?」
ひゃくまん?
オレはぎょっとして、反射的にいろはを見た。
同時に、翔琉も芽衣ちゃんも、3人組もぎょっとした目でいろはを見る。
6人の視線を独り占めしたいろはは、平然とした顔でガジュマルの木に挟まれた水色のサンダルを指差して笑っている。
「ひっ! ひひ、ひゃくまんえんー?」
ギャッと驚きの声を上げてピョンとジャンプしたのは、源くんだ。
生意気3人組の中でもいちばん小柄な、マルコメ坊主頭の男の子。
翔琉よりもさらに小柄だ。
「そうや。そんなことも知らずに隠しはったの? アホやわあ」
嘘百発。
堂々と大きなウソをつくいろはに、虎太朗くんが目を釣り上げてずずいと詰め寄った。
「……誰ね?」
背後からその声がした。
「やっぱり結弦兄ィニィ連れて来のかね」
振り向くと、波打ち際で遊んでいた3人組が翔琉を指差して笑っていた。
「ほら見ろ。翔琉は結弦兄ィニィがおらんと、なーんにもできないんだぜ」
そう言ったのが、リーダー格の虎太朗くんだ。
いがぐり頭で、いかにもやんちゃな顔付きをしている。
翔琉はなにかを言い返すわけでもなく、口を真一文字に結んだまま、またオレの後ろにひょいっと隠れた。
同時に、芽衣ちゃんもオレの後ろに隠れた。
「なんだ、芽衣もかね? お前も翔琉と同じね?」
やんちゃ坊主どもには困ったもんさ。
「虎太朗くん」
オレは背後で猫に怯えるねずみのように小さくなっているふたりの頭を撫でながら、
「翔琉とも仲良くして」
欲しいんだけどね、と本当は言うつもりだった。
でも、「ふうん。きみたちやね」と割り込んで来のがいろはだった。
「翔琉くんの100万円のサンダル、神さんの木ぃに隠しはったのは」
「うえっ?」
ひゃくまん?
オレはぎょっとして、反射的にいろはを見た。
同時に、翔琉も芽衣ちゃんも、3人組もぎょっとした目でいろはを見る。
6人の視線を独り占めしたいろはは、平然とした顔でガジュマルの木に挟まれた水色のサンダルを指差して笑っている。
「ひっ! ひひ、ひゃくまんえんー?」
ギャッと驚きの声を上げてピョンとジャンプしたのは、源くんだ。
生意気3人組の中でもいちばん小柄な、マルコメ坊主頭の男の子。
翔琉よりもさらに小柄だ。
「そうや。そんなことも知らずに隠しはったの? アホやわあ」
嘘百発。
堂々と大きなウソをつくいろはに、虎太朗くんが目を釣り上げてずずいと詰め寄った。
「……誰ね?」