恋蛍2~トワイライト色の約束~
マリーアントワネットの涙
【おはよう
朝早くからごめんね
今日は杏の家に
泊めてもらうことにしました
結弦とゆっくり話したくて
与那星島に16時着の予定です】
石垣島に住んでおる愛莉からそんなラインメッセージが届いたのは、朝の5時のことだった。
オレはリアルタイムで見て、返事をした。
そしたら、愛莉から、【朝苦手じゃなかったっけ? びっくりさ】と可愛らしいスタンプ付きで返ってきた。
朝は苦手だ。
できることなら気が済むまで熟睡しておりたい。
今日はたまたまだ。
なにせ、ひと晩一睡もできずに朝を迎えてしまったのだ。
1秒たりとも眠れんかったのは、生まれてこのかた初めての経験だ。
その証拠に体が鉛のように重たく気だるい。
ところがびっくりするほど目はギラギラ冴えよるし、頭もシャッキリしよる。
オレは朝からずっと昼になってもひたすら、リビングのソファを占領し、寝転がりながらテレビを観続けていた。
でも、どんな番組でどんな内容だったのかも何も、実は目に入っていなかった。
オレは、いろはのことばかり考えていた。
「兄ィニィ、ぼく、遊びに行って来るからね。聞いとる? 兄ィニィ」
「あー、うん」
午前中に虎太朗くんたちと遊ぶと言って、翔琉が出掛けたことも、
「まだここにおったの? プール教室だからさ、行って来るね、兄ィニィ」
「あー、うん」
午後からはプール教室だからと、また翔琉な出掛けたこともちゃんと覚えとる。
そして、今も。
「もー、朝からずっとこう。邪魔なんですけど、結弦」
と掃除をする母さんに文句を言われていることも、ちゃーんと分かっとる。
でも、頭の中は常にいろはのことばかりだ。
朝早くからごめんね
今日は杏の家に
泊めてもらうことにしました
結弦とゆっくり話したくて
与那星島に16時着の予定です】
石垣島に住んでおる愛莉からそんなラインメッセージが届いたのは、朝の5時のことだった。
オレはリアルタイムで見て、返事をした。
そしたら、愛莉から、【朝苦手じゃなかったっけ? びっくりさ】と可愛らしいスタンプ付きで返ってきた。
朝は苦手だ。
できることなら気が済むまで熟睡しておりたい。
今日はたまたまだ。
なにせ、ひと晩一睡もできずに朝を迎えてしまったのだ。
1秒たりとも眠れんかったのは、生まれてこのかた初めての経験だ。
その証拠に体が鉛のように重たく気だるい。
ところがびっくりするほど目はギラギラ冴えよるし、頭もシャッキリしよる。
オレは朝からずっと昼になってもひたすら、リビングのソファを占領し、寝転がりながらテレビを観続けていた。
でも、どんな番組でどんな内容だったのかも何も、実は目に入っていなかった。
オレは、いろはのことばかり考えていた。
「兄ィニィ、ぼく、遊びに行って来るからね。聞いとる? 兄ィニィ」
「あー、うん」
午前中に虎太朗くんたちと遊ぶと言って、翔琉が出掛けたことも、
「まだここにおったの? プール教室だからさ、行って来るね、兄ィニィ」
「あー、うん」
午後からはプール教室だからと、また翔琉な出掛けたこともちゃんと覚えとる。
そして、今も。
「もー、朝からずっとこう。邪魔なんですけど、結弦」
と掃除をする母さんに文句を言われていることも、ちゃーんと分かっとる。
でも、頭の中は常にいろはのことばかりだ。