キンヨウビノヒミツ
-----



ラブのついてしまうホテルを慌てて服を着て飛び出した私は、駅までの見知らぬ道をちょっと迷って家に帰ってきて、頭からシャワーを浴びていた。



本音を言うと何をしたのか判らないからシャワーを浴びてから出てきたかったけれど、シャワーを浴びている間に相手が起きたらと思うとそれも怖くて出来なかった。



そもそも私、ラブホテルなんて初めて行ったし…。



高校まで女子校で、男の子にそこまで興味がなかった私は彼氏が出来たのも大学に行ってから。



地元から出てきて1人暮らしをしていたから、ラブホテルに行くことは今まで一度も無かったし、こんな風に起きたら覚えが無い人と寝ていたなんてことも一度も無い。



どうしよう。



月曜日、職場にどんな顔をして行ったら良いんだろう。



ため息をつきながら思い出すのは、隣に寝ていた人の顔。



寝顔を見るのは初めてだったけど、間違いない。



あれは…あれは、同期の前橋 幹人。



…ホンット…最悪。

< 2 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop