御曹司を探してみたら
何を隠そう、私は遊園地とかではとにかく限界までアトラクションに乗りたがるタイプなのです!!
ワクワクしながら列に並んでいると、程なくして待ちに待った順番が回ってくる。
職員さんに案内されたカップに着席し稼働を知らせるベルが鳴ると同時に、私は中央に設置されたハンドルをこれでもかと回し始めた。
「おいっ!!早宮!!」
顔を引きつらせながら慌てて止めに入る武久のことなど知ってか知らずか、コーヒーカップの回転スピードはみるみるうちに増していき、その勢いはとどまることを知らない。
「やばい!!楽しい……!!」
これこれ!!コーヒーカップって言ったらスリルと遠心力を楽しむもの!!
「うわ!!マジでやめろっ!!」
武久ときたら……このくらいで音を上げてたらこれから持たないよ?
私はそれ!!っと景気よく、更にハンドルを回したのである。
コーヒーカップが回るたびに徐々に元気がなくなっていった武久は、終了のブザーが鳴るころにはすっかり虫の息になっていた。