御曹司を探してみたら

「私、武久が好き……」

御曹司でなくても、そのままの武久永輝が好き。

だから……お願い

もうどこにも行かないで。

ずっと傍にいたいし、傍にいて欲しいの。

「武久は?」

ありったけの想いを伝えると、今度は不安に襲われた。

武久はまだ私のことを好きでいてくれているのかな?

「俺が……何年お前に片思いしてたんだと思ってんだよ」

武久の唇が私の唇を掠めるように、何度も往復していく。

「カッコつけて手放して死ぬほど後悔したっつーの」

おでこ同士をくっつけ照れたように目をつぶったままそう言う武久に、今度は嬉しくて涙が出そうになる。

「これからは私だけの御曹司様でいてくれる?」

「バーカ」

武久は返事代わりにもう一度私を強く抱きしめ、徹夜明けとは思えない熱いキスをくれたのだった。



おわり


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