御曹司を探してみたら
7.突撃!!お宅訪問!!
私はなぜ走っているんだろう。
武久が走っているから?
私の事なんか置いていけばいいのに、武久は一向に手を離してくれない。
次第に手が熱くなっていく。
ううん。身体が熱い。
心臓がドキドキするのは、監視されていることに気が付いたから。
それとも思いのほか武久の力が強かったから?
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「行ったか……?」
2つ並んだ雑居ビルの僅かな隙間に身体を滑り込ませると、ようやくしつこい監視役をやり過ごすことができた。
かばわれるように武久の背後に身を潜ませていた私は、これでもかと大きく息を吸ったり吐いたりした。
走り過ぎて酸欠になるかと思った。
「監視されてたなんて、全然気づかなかった……」
「親父が手を回してたんだろうな」
「普通成人した息子の行動を逐一監視する?」
私とホテルにいた写真を見ただけで怒鳴りこんできたし、よほどの心配性なの?