いつも側で君を感じるから。
りりは女友達だけど、いつの間にか俺の中ででかい存在になっていた。
柔らかい髪に小さい肩、そして色白な肌、笑うとその場が明るくなる。
側にいると、つい触れたくなんだよ。
この気持ちがなんなのか、気づいていたけど気づかないフリをしていた。
その時突然、スマホが鳴り出す。
みなみからのメールだった。
【私、やっぱりダメかも…東公園にいるからすぐに来てくれる?】
東公園…みなみんちの近くにある公園だ。
タクれば15分くらいで着く距離。
【今から行くから。そこ動くなよ】
返信して立ち上がると、りりが不安そうな表情で俺を見上げた。
りりのことは陽太に頼んだし…大丈夫だよな…。
カラオケ代金をテーブルに置いて部屋を出ると、廊下でしゃがみながら電話している大河が目に入った。
「明日の夜俺んち来れば?可愛がってやるし?」
お気楽そうに笑っているのがムカつく。
大河は特定の女を作ったりしない。
飽きたら切るの繰り返しで、重そうな女は即切るか、近寄らせないようにしてる。
恋愛には不真面目すぎる大河に、りりを近づけさせたくなかった。