いつも側で君を感じるから。



俺がこんな人間じゃなかったら。

陽太や光喜みてーな普通の家庭に生まれ育っていたら。


りりの一番側にいてやれたかもしんない。


でもりりが、俺の過去とか家族のこと知ったら、絶対傷つく。

そして俺が父親を見る度に、どういう気持ちでいるのか知ったら軽蔑すんだろうな。

それなら今の関係のままでいい。

友達として、りりの近くにいれるならそれでいい。


彼女が傷つかないように。


悲しまないように。


特別な存在にはなれねーけど、いつかりりに合う男が現れるまで……。


勝手だけど守ってやりたいって思った。



俺の願いはそれだけだ。

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