いつも側で君を感じるから。


相変わらずテンション高めで俺の脇腹をくすぐってくる。

「てっめ……やめろって!」

くすぐったいのもあるが、昨夜蹴られた場所だったから痛みが走った。

「元気じゃん!熱もなさそうだし声も普通だし。絶対サボりでしょ?」

「…ちげーよ。マジで具合悪いんだって」

まだ幼く力がない俺でも、親父は容赦しない。

何発食らったかな、意識が遠いていたからよく覚えていない。

「てか、お前こそ元気そうじゃん?」

「女の子は色々あんの!あんたデリカシーなさすぎ!」


ああ、生理か。

すぐにピンときて、なんの疑いもしなかった。

だってみなみはいつも通り笑っていて、何も曇りもなかったから。

プールから上がった女子たちが、目の前を通る。

ビート板で体を隠しながら、恥ずかしそうに歩いていた。

「あさやん達が新のことイイって」

隣でみなみがボソっと呟いた。
< 105 / 274 >

この作品をシェア

pagetop