いつも側で君を感じるから。


「は?」

「だからさっきからこっち見てるでしょ」

あさやん…岩村麻美のことか。

さっき通り過ぎて行った女子達が、固まってこっちを見ている。

「この前、新の彼女なのかって聞かれちゃった」

「マジで?」

「うちらしょっちゅうしゃべってんじゃん?勘違いしたみたい」

「女ってそういうの好きだよな」

「あんたモテるからさー」

ぶっと吹き出した。

「この俺が?」

ウケるわ、モテたことなんて一度もないけどな。

「ムカつくけど、女子達の間では人気なんだよ?好きだって言う子結構いるもん」

「へぇ…」

あんま興味ねえけど。

横を見ると、なぜかみなみが拗ねていて。

「なに怒ってんだよ?俺がモテんのそんなに悔しいか?」

「うる…さい」

いつもと様子が違うみなみ。

なんか調子狂うんですけど。

「おーい、見学者!」

その時担任に呼ばれた。
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