いつも側で君を感じるから。
「悪いがみんなが使ったビート板倉庫に片づけてきてくんねーか?」
「はい」
「あーい」
乱雑に置かれたビート板をまとめているときのことだった。
後ろでみなみが「えっ……」とつぶやく。
俺が振り返ると、みなみが俺の体操着をめくった。
「な、なにこれっ……」
あ、やべ……。
腰にあった痣を見られてしまった。
幸い周りには人がいなくて、誰もこちらの様子に気づいていない。
俺はすぐに体操着を引っ張って直した。
「やめろよ」
「ごっ……ごめん……」
みなみはかなり驚いている。無理もない、あんな痣見せられちゃ。
そのあとは無言でビート板を集め、倉庫へ片づけに行った。
「あの……さ」
倉庫に入った瞬間、みなみが口を開く。
「ん?」
「言いたくなかったら言わなくていい。でも、すごい気になって、いてもたってもいられないから…」
「ああ、この痣?見られたらしょうがねーよな。親にやられたんだよ」