いつも側で君を感じるから。
「嘘っ…親に!?」
「あー…俺んち離婚してんだけどさ、それから親父がイラつくとしょっちゅう…って、これ他の奴らには言うなよ」
信頼しているみなみだから言えること。
結構明るめに言ったつもりだったのに、みなみの顔は暗くなる一方で。
「かわいそうとか思わなくていいから。きっとこんなの今だけだろうし、俺がもう少し大人になったら……」
「私もなの」
俯きながらそうつぶやくみなみの顔を、俺は見入っていた。
「……は?」
「私も……DVされてる……親に」
「マジかよ!?」
みなみの両肩を強く掴むと「痛ッ」と叫ばれた。
「わりっ…」
「…ううん、大丈夫。実は私も隠してて」
そう言って袖をめくり上げると、腕に痣がいくつもあって。
全身に鳥肌が立った。
まさかこんな身近に、しかもみなみが同じ目にあっていたとか。
今までに感じたことがない怒りが込み上げてきた。
「お前これ…誰にも言ってねーのか?」
「言えるわけないよ、みんなに知られたくない、先生にもっ…」