いつも側で君を感じるから。
なぜかイラっとして「わかった」とぶっきら棒に言うと、今度は突然泣き出した。
なんなんだよ一体…。
『新は……私の事何もわかってない』
「は?」
『この4年間、本当に気づかなかったの?』
「…気づかなかったって?」
『新のこと好きなのに…』
「え!?だってお前さっき男できたって…」
『嘘に決まってるでしょ!新が私の気も知らないで色んな子と付き合うからっ…』
受話器越しに鼻をすする声が聞こえてくる。
「…わりぃな、気づかなくて」
みなみは同じ境遇のヤツが俺しかいないから親しくしてんのかと思ってた。
俺の事が好きだったとか……いつもイヤミ言い合ったり、男友達のような関係だったからそんなそぶり全然見せてこなかったのに。
『新は私と関わりがなくなってもなんとも思わないの?』
そんなことねえよ。
モヤモヤしてムカついたのは確かだったし。
「正直お前と切れんのは嫌だ」
『えっ……』
「他の男にとられたと思ったらムカついて」