いつも側で君を感じるから。
みなみがあんなに苦しんでいたのに。
俺は何も気づかず、夜の街を笑って出歩く日々を送っていた。
中三になり、みなみとはまたクラスが離れた。
中二の時もクラスが別だったから、せめて放課後くらいは一緒に帰ろうと決めていたのに、その約束も最近守れなくて。
怒ってんだろうなとは思っていたけど、どこかでみなみならわかってくれんだろうと思っていた。
「は?別れる?」
「うん……」
数週間ぶりに二人っきりで歩く帰り道。
散り始めていた桜が春風と共に一斉に舞った。
聞き間違いじゃない。
本気だということが、みなみの顔を見てわかる。
「なんで急に……?」
「急じゃない。ずっと考えてた…新さ、私がいてもいなくてもいいって感じじゃん」
「は?んなことねえよ」
「友達と遊んでる方が楽しいでしょ……?」