いつも側で君を感じるから。


告られて何度か付き合ったりしたけど、よくTVドラマとかであるようなドキドキしたり相手を思って切なくなったりとか……そういう風になったことはなくて。

みなみのことは好きだけど、それは友達に対する思いと変わらなかった。

今さらそれに気づくとか…。

みなみのこと傷つけただけだったな…。

「本当にごめん…殴ってもイイよ」

「ズルいよ。そうやって謝られたら私なにも言えない」

幸せにしてやりたいとか思っておきながら、中途半端にしてしまった。

彼女を大事にするとか、どうしたらいいのかよくわかんねえ。

俺はもう女作る資格ねーかもな…。


「でも別れても、新とは友達でいたい」

「当たり前だろ。ってか、お前はいいのかよ……」

「うん。新と切れるなんてありえないし」

いつもの笑顔に戻って少しホッとした。



みなみはこの時も俺に言わなかった。

父親のDVが再発していたことを。

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